2019年03月06日

言霊の華 第五二〇号

『「勤勉さ」の源流と日本精神』

前回「母性救済」の話をしました。日本の場合、救済原理は「裁き」に拠らず、「許容」と「慈悲」に拠ってのみ成されると言いました。一神教の父なる神の世界では、「個」として神の前に立ち、最期の審判を受け、天国か地獄かが決定されるのです。

そこでストイックな信仰観が生まれ、人間及び人生に多大な影響をもたらします。地獄に堕ちないために人は勤勉に励み、極度の禁欲生活を強いられます。「信仰に拠って義とされる」は、まさにパウロ神学によるプロテスタンチズムの根幹です。


これが欧米資本主義世界を形成して行ったのでした。カルヴィン、ルターの宗教改革は、それまでのカトリック世界の母性的信仰世界を覆します。神と人を仲介していたのは常に「神父」でした。人々は罪を犯すと教会に行き、顔の見えない窓口で罪を告解(告白・懺悔)します。

そのような信仰形態が社会に「安心と安定」をもたらしてもいました。聖書を一般庶民が持つことは許されず、神父のみが所有していたのです。カルヴァンやルターたちが行ったことは、この仲介者を除外して、直接神と人間が繋がる事でした。


そして聖書も、教会や聖職者の独占から一般家庭へと普及して行ったのです。仲介者(神父)を失ったことにより、人々は直接神の目に晒されるようになり、そこに緊張が生まれます。常に「神の裁き」を意識した信仰生活と人生が始まります。

これがプロテスタンチズム、即ちカルヴニズムであり、ピューリタニズムなのです。この精神こそが、欧米型資本主義を築いたと言ってもよいでしょう。地獄に堕ちないために勤勉に徹する。勝ち組が負け組に施しをする。社会に還元するのだから、いくら儲けてもいい。収入の十分の一献金(教会へ)。


欧米の労働観にあるもう一つの要素は、「エデンの園」神話です。原罪を得たアダムとエヴァは、それぞれ罪として、男は額に汗して働く「苦役」、女は出産の苦しみを受けます。労役は苦役ですので、解雇するのは苦役からの解放であるため、平氣で社員の首を切ります。日本の場合は、社員を家族の一員と見なしますから「痛み」を生じます。経営者の収入も欧米から比較すると大富豪などおりません。


さて、日本の勤勉さを形成してきたもの、支えてきたものとは一体何でしょう。

それは一神教の父なる神の目ではないことは明白です。労働は苦役ではありません。それは「勤(いそ)しみ」です。古事記にもあるように、高天原の神々は天照大神をはじめ、皆働いています。楽しく、おおらかに。

倫理、道徳観にあるものは「お天道さま(大自然生命)が観ている」です。「こんなことしたら、お母さんが悲しむからできない」です。社会共同体を想う心、家族や人々を想う心、それは日本人の場合「母ごころ」が中心です。


そして明治開国以来、日本型資本主義を形成して来た精神は、武士道と商人道です。どちらも「道」が付いております。

社会はセクハラだのパワハラだの働き方改革だのと喧(かまびす)しいですが、「勤勉さ」がなければ、「近代」も「発展」もなかったのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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【ご案内】(申込受付中)
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★伊勢神宮の参拝・禊研修★

日時:3月21日(春分の日) 10:00〜17:00

集合:伊勢神宮 外宮(豊受大神宮) 神楽殿前

●五十鈴川でみそぎ
●外宮・内宮 御垣内参拝
●御神楽奉納 など

参加費:
会員:15,000円
一般:18,000円

◆詳細は美し国HPに掲載中
 ご入会も受付中です!
https://www.umashikuni.co.jp/event-20190321/

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★志ある経営者交流会★

「天を味方につける古神道に学ぶ成功者の習慣」

日時:3月27日(水)19:00〜21:00

会場:神楽坂セミナールーム

参加費:10,000円(飲食代込)

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★みすまるの宮 例大祭★

日時:4月7日(日)11:00〜16:00

会場:菅家一比古宅
  (東京都杉並区久我山)

特別講演:呉善花
  (拓殖大学国際学部教授)

テーマ「美し国 日本の誇り」

参加費:7,000円(玉串料・お食事代含む)事前申込制

★講演のみ:3,000円

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posted by 事務局 at 13:02| Comment(0) | 言霊の華

2019年02月27日

言霊の華 第五一九号

『母性救済 〜悲しみの同伴者〜』                  

人は嬉しいこと、楽しいこと、享楽、安楽は共有できても、苦悩や悲哀をどうやら共有できない生きもののようです。楽しいことには人はすぐ集まって来ます。だから娯楽、レジャーサービス産業等が栄えるのだと言えます。


しかし一方の苦悩、悲哀は産業にはなりません。確かに葬祭業がありますが、産業のごく一部です。

どんなに愛する人が亡くなっても近親者が亡くなっても、長い間悲しみに打ちひしがれてはいられないのです。いつまでも悲しみに沈んでいては、周囲は離れていくでしょう。人は明るい所に集まってくる習性があります。それは光に虫たちや、魚や鳥たちが集まって来る生物の本能なのかも知れません。


苦悩や悲しみを分かち合う存在は人間ではないのです。それは神であったり仏であったりの、超越者の領域なのだと思います。しかし、人情として存在あるもの、形あるものが傍にいて欲しいと願う時、人は「母」を想うでしょう。母こそ「悲しみの同伴者」として位置付けられるのです。


これが「母性救済」であり、仏教の世界で言えば「観音大悲」と言えます。イエス・キリストの救済も、聖母マリアの救済もそうでしょう。絶対見捨てない、裏切らない。いつも傍で見ておられ、守り続けている存在。この存在を常に身近に感じている人こそ強いのです。


人は笑いが大切だとよく言います。嘘でもいいから笑いなさいと。きっとそれは正しいのでしょう。しかし笑顔が美しくなる人は、あるいは笑顔の美しい人は、数々の苦悩と涙を重ね、立ち上がってきた人なのです。その笑顔の向こうには計り知れない悲しみや苦悩が隠されているに違いありません。


司馬遼太郎は西郷隆盛を喩えて「海のような悲しみを湛えた存在」と述べております。悲しみを極めると「虚しい」を突き抜け、「虚空(こくう)」に至ります。それは「無情」から「無常」に至ったと言えるでしょう。この領域こそ、「宗教」の世界であり、理性の彼方にあるものなのです。


人は原則的に悲しみを共有できません。愛する人を失ったその悲しみは一時的に共有できても、いつまでも共に悲しみ続ける訳にはいかないのです。しかし、ここに例外があります。


日本に「観音大悲」やキリストの存在、即ち宗教そのもののご存在がいらっしゃいます。それが日本国天皇皇后両陛下です。被災地の方々や難病で苦しむ方々、戦没者の方々とその遺族に寄せるその想(思)いとお姿こそ「悲しみの同伴者」そのものです。


「観音大悲」の観音とは音を観(み)ると書きます。人々の呻吟(しんぎん)悲しむ声を観て、聴いているのです。聴こしめすスメラミコト、観(み)そなわすスメラミコトと、知ろしめすスメラミコトと云う言葉があります。天皇は聴いておられる。天皇は観ておられる。天皇は知っておられると云う意味です。


天皇皇后両陛下は人々の苦しみ、悲しみと一体となられ、いつの時代でもその重荷(十字架)を背負い続けられるのです。両陛下のご苦労はいかばかりか。ここに「母性救済」の至高の愛と美があります。


両陛下 まことにありがとうございました。
この国に生を享けたこと、心から感謝申し上げます。


合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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【ご案内】(申込受付中)
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【2月中のお申込みは特別価格です】

★伊勢神宮の参拝・禊研修★

日時:3月21日(春分の日) 10:00〜17:00

集合:伊勢神宮 外宮(豊受大神宮) 神楽殿前

●五十鈴川でみそぎ
●外宮・内宮 御垣内参拝
●御神楽奉納 など

参加費:2月末まで早割中!

●美し国会員 11,000円
●一 般 15,000円

3月以降 会員:15,000円
     一般:18,000円

◆詳細は美し国HPに掲載中
 ご入会も受付中です!
https://www.umashikuni.co.jp/event-20190321/

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★みすまるの宮 例大祭★

日時:4月7日(日)11:00〜16:00

会場:菅家一比古宅
  (東京都杉並区久我山)

特別講演:呉善花
  (拓殖大学国際学部教授)

テーマ「美し国 日本の誇り」

参加費:7,000円(玉串料・お食事代含む)事前申込制

★講演のみ:3,000円

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★パラオ・ペリリュー島 戦跡慰霊ツアー★

日程:5月22日〜27日 5泊6日

費用:30万円程度

★ご興味ある方は事務局までお問合せください。

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posted by 事務局 at 14:14| Comment(0) | 言霊の華

2019年02月21日

言霊の華 第五一八号

『本モノは「調べ」が高い』

今月、9、10、11日と二泊三日の菅家廊下翔塾の神直日(かむなほひ)講座、アドヴァンスコース(中級編)の合宿セミナーを行いました。

人間の真価は、その人の持っている言霊にあり、その響きであり、波動であり、調べであると言いました。言霊の最も大切な根幹は日本語の場合、それは「大和言葉」にあると話したのです。


大和言葉の「命」は母音(アオウエイ)にあります。母音であるア・オ・ウ・エ・イは感動音であり、言葉になる前の驚きや讃嘆に発する音なのです。

アッ
オ〜
ウ〜
エッ
イイネ

これは原初の音であり、響きなのです。神さまのお姿(大自然)を讃美讃嘆するために人間に与えられた言霊でした。この母音が和語(大和言葉)の縦糸を成しているのです。人々が心に優しみや、懐かしみや、喜び、感謝を抱いている時に、自然と口から発せられるのが大和言葉です。


大和言葉の達人はとても「調べ」が高いのです。古代より何故天皇(スメラミコト)や皇族たちが和歌を詠まれ続けて来られたのか。明治天皇は生涯で約10万首の御製(和歌)を残されました。毎日10首を詠んだとして30年間かかります。

歴代の天皇にとっての和歌とは祈りそのものでした。神々、自然、人々を慰め、讃え、浄化し、そのエネルギーを善(佳)き事へともたらすための祈りだったのです。


年の初めに何故、「歌会始め」が宮中で行われるのか。それも全国に披露されるのです。天皇の祈りを遍(あまね)く世の中に知ろしめしたのです。明治陛下も大正陛下も、昭和陛下も、今上両陛下もとても「調べ」が高いのです。美智子皇后様の和歌の「調べ」の高さには驚嘆すら覚えます。

「調べ」が高いとは祈りが深いことを証明しています。和歌こそ大和言葉が基本です。この伝統は太古の昔より続き、万葉集も、それから150年後の古今和歌集、新古今和歌集に至るまで、全てが大和言葉で成り立っています。


三島由紀夫先生の辞世の句も素晴らしい大和言葉のみの和歌でした。命に対する「潔さ」「清澄さ」「懐かしさ」「静謐さ」が大和言葉を汲み上げるのです。特攻隊の遺書や「きけわだつみの声」の学徒出陣で散華して逝った英霊たちの辞世の句もまた然りです。

世の中を見ていますと、この「調べ」の高さが全く感じられなくなったと言いたくなるのは私一人でしょうか。音楽も、文学も、ファッションも生活スタイルも、言葉も、メディアも、学者、文化人、ジャーナリズムも、宗教家に至るまで「調べ」が低くなったとしか思えてなりません。

即ち日本人全体が「日本の調べ」から遠くなったと言えるでしょう。「本モノ」とは、「調べ」が高い人のことを言うのです。


二泊三日の菅家廊下では、日本の代表的な和歌を十五首ほど選び、声高らかに皆で詠み上げ、その後一人ひとり朗詠しました。そして段々と「調べ」が高くなっていくのを私はこの目で確認したのです。その後、皆、それぞれが大和言葉で和歌を創作し、前に出て詠み上げて行きました。

本人たちにとっては生まれて初めての体験だったのです。
日本に目覚めるとは、日本人に目覚めるとは、このように具体的なことなのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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【ご案内】(申込受付中)
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【2月中のお申込みは特別価格です】

★伊勢神宮の参拝・禊研修★

日時:3月21日(春分の日) 10:00〜17:00

集合:伊勢神宮 外宮(豊受大神宮) 神楽殿前

●五十鈴川でみそぎ
●外宮・内宮 御垣内参拝
●御神楽奉納 など

参加費:2月末まで早割中!

●美し国会員 11,000円
●一 般 15,000円

3月以降 会員:15,000円
     一般:18,000円

◆詳細は美し国HPに掲載中
 ご入会も受付中です!
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★みすまるの宮 例大祭★

日時:4月7日(日)11:00〜16:00

会場:菅家一比古宅
  (東京都杉並区久我山)

特別講演:呉善花
  (拓殖大学国際学部教授)

テーマ「美し国 日本の誇り」

参加費:7,000円(玉串料・お食事代含む)事前申込制

★講演のみ:3,000円

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★パラオ・ペリリュー島 戦跡慰霊ツアー★

日程:5月22日〜27日 5泊6日

費用:30万円程度

★ご興味ある方は事務局までお問合せください。

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posted by 事務局 at 14:22| Comment(0) | 言霊の華