2018年03月01日

言霊の華 第四六九号

『パラオ鎮魂慰霊訪問記 その(1)』 


私はいま、この原稿を南太平洋の赤道近くにあるパラオ共和国の空港で書いております。早朝四時半パラオ発成田行きの便まであと一時間。時刻は未明の三時です。


今回初めて、パラオに有志の方々と鎮魂慰霊のため彼の地を訪れました。以前より、必ず一度はパラオを訪ね、英霊たちの霊魂のご供養をしたいと切望しておりました。そして漸く、それが実現できたのです。


先の大戦では百数十万英霊の柱が南太平洋に散華し、その多くのご遺骨がいまだ収容されず、放置されたままです。その数、百二十万柱と言われております。


パラオ諸島の一つであるペリリュー島の激戦では、約一万二十二名の日本兵が玉砕、戦死したのです。そして米軍の戦死者は千六百八十四名、戦傷者七千百六〇名に及んだのです。


東西三キロメートル、南北九キロメートルの狭い小さなほぼ平坦な島に、米軍は先ず猛烈な空爆、艦砲射撃を行い、島全体がハゲ山同然となりました。


地形は原形をとどめることのない程無残な姿になってしまい、もう日本兵は一人も生きていないとまで思われる程でした。


米軍は三日間で島を占領してみせると豪語していたのが、この激戦は二ヶ月にも及んだのです。それは何故か。日本軍は島全体に五百にものぼる洞窟を張り巡らし、米軍を充分に上陸させてから反撃に出たのです。


この洞窟はわずか四ヶ月、寝る間も惜しんで急ピッチで完成させたのでした。そのためにパラオの島民の力も借りたのです。日本軍とパラオ島民は、まるで家族同然の触れ合いをしていたのです。


愈々、米軍の攻撃が近づいた時、パラオ原住民の人々を本島(コロール島、バベルダオブ島)に避難させなければなりません。その時、島民の酋長が中川州男(くにお)大佐(パラオ方面守備連隊長)に、我々も共に日本軍として戦うと申し出たのでした。


しかし、中川大佐は島民の酋長に「帝国軍人が貴様ら土人たちと一緒に戦えるか。足手まといになるから立ち去れ!」と一喝したのでした。酋長はひどく傷つき、失望しました。「今までの日本軍の親切、礼儀、信愛、友情は嘘だったのか、やはり原住民を蔑(さげす)んでいたのだ」と。


日本軍が用意した船に全ての島民たちを乗せました。日本軍は誰一人見送りに来ていません。船が島から離れ始めた時、一斉に日本軍が砂浜に集まりました。島民たちの船に向かって敬礼をし、共に過ごし日々歌った日本の唱歌を歌い始めたのです。


その時、酋長はじめ島民たちは知ったのでした。中川大佐の島民たちを戦禍から救おうとした親心を。島民たちは泣きました。大きく手を振り続ける日本兵を見て、共に泣きながら日本の唱歌を歌う島民たち。


今回、中川大佐(死後中将に昇進)が玉砕された終焉(しゅうえん)の地をお参りしました。

戦後、中川大佐のご遺骨が発見され、それを収容して日本に持ち帰ろうとしたとき、未亡人である夫人がそれを断ります。理由は「部下の兵隊さんたちのご遺骨を置いて日本に主人だけ先に帰ることを、主人が絶対に願わない筈です」とのこと。武士の妻、大和撫子を感じずにおれません。


世の中絶対戦争をしてはならないと言います。戦争を美化してはならないとも言います。


靖国神社で「不戦の誓い」をしたと言った元総理もいました。確かに戦争は悲惨な出来事でありましょう。しかしその中で美しくも悲しく切ない人間ドラマが生まれ、後世の人々に感動をもたらすことが多いのも事実です。


中川大佐の行なった行為、日本軍と島民の心の絆と、美しい心と魂の物語。何度聞いても涙が溢れ出るほどの感動をもたらします。


何故、人間の歴史や文学、詩歌に英雄伝説や戦記物、軍記物が必然として付いて回るのでしょう。古代ギリシアの詩人ホメロスの英雄神話の叙事詩は何故、何千年もの時を経た現代に於いてまで感動をもたらしているのでしょう。


次回の「言霊の華」では更に、この度のパラオ鎮魂慰霊訪問で強く感じたことを述べたいと思います。


合掌 かむながらありがとうございます

菅家 一比古

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posted by 事務局 at 09:54| Comment(0) | 言霊の華