2020年09月02日

言霊の華 第五九二号

『敗戦75年に想うこと(その3) 〜果たして「愚かな戦争」と言い切れるのか〜』

敗戦の日の数日前、8月6日の辺りだったと思いますが、NHKドキュメンタリー番組がありました。原爆搭載機エノラ・ゲイのB29と乗組員たちの貴重な映像です。原爆投下の前日だったか前々日、グアム島近くのテニアンの飛行場基地でエノラ・ゲイの乗員とその計画のチーム、関係者ら数十名が集まり、礼拝が行われたのです。その時の牧師の祈りに驚きました。

「主なる神よ。邪悪を退け、我等に勝利をもたらし給へ。」そのような祈りだったと記憶しています。
日本のことを邪悪だといい、その翌日か二日後に広島に、そしてその三日後に長崎に原爆が投下され、罪も無い一般市民が一瞬にして何十万人も虐殺されたのです。

本来、原爆投下は全く必要なかったものを、ポツダム宣言受諾の前にどうしても人体実験をしたかったアメリカの謀略でした。日本のポツダム宣言受諾の動きを前もって知っていたにも関わらず、原爆投下したのはアメリカ側の都合によるものです。

アメリカにとってマンハッタン計画に巨額の資金を注(つ)ぎ込んでいた以上、それを無駄にしたくなかったのです。原爆投下の後、トルーマン大統領は「獣(けだもの)には獣に接するようにしなければならない。」と述べたと記録されています。

何故、ナチスドイツには原爆は落とされなかったのでしょう。ヒトラーは熱心なカトリック信者でした。即ちドイツは白人キリスト教徒だったからです。イギリスのチャーチルが妻のウィニーとやり取りした書簡集には、日本人が聞くに堪えない侮蔑し切った罵詈雑言が散りばめられており、許容範囲を逸脱した差別表現にまみれております。
イギリスのアジア植民地支配を一網打尽にした日本が心底憎くてならなかったのです。

八月中旬頃に放映されたNHKの「歴史ヒストリア」はガダルカナル島の特集でした。兵士の多くが餓死した痛ましい戦いです。日本兵の遺体、未だ生きている兵士の上を戦車やキャタピラーが踏み潰していくのです。

そう言えば硫黄島もそうでした。島の飛行場の下には多くの日本兵が眠っています。占領後アメリカはやはりキャタピラーを使って踏み潰し、その上に砂利やアスファルトを敷いて飛行場にしたのです。

日本人であればこのような悍(おぞ)ましい残虐な行為などできません。
日本は古来より怨霊信仰があり、祟りを怖れ、死者をしっかり弔い、しっかりあの世に送って上げるという精神文化が根付いているのです。

楠木正成は戦死した敵兵の墓地を作り「寄せ手の墓」として懇ろに祀っていましたし、東海道一の大親分、清水次郎長に至っては戊辰戦争で亡くなった旧幕府軍の武士たちや兵士たちを手厚く葬りました。そこに官軍が来て次郎長を脅します。その時次郎長は「死んだ仏さんに官軍も賊軍もねえ!」とやり返します。

これが日本人の霊魂観・死生観そのものなのです。決して「死者を鞭打たない。」死者が誰であれ、懇ろに弔ってしっかりとあの世に送って差し上げる。
靖国神社にA級戦犯もB級戦犯もいません。皆戦争の犠牲者です。しっかり祭祀するのは国民の義務であり、日本人としての矜持な筈。

日本人の矜持と言えば、東条英機閣下もそうです。
1930年代末頃、ナチスドイツの迫害を逃れ、満州国境に約二万人ものユダヤ人が集結しました。入国許可を与えなければソ連がユダヤ人を強制送還します。

当時満州の関東軍特務機関長だった樋口季一郎少将(後に中将)は、関東軍参謀長だった東条英機に許可を要請します。東条英機は「八紘一宇の我が国の精神からして入国許可は当然である。」と即許可したのです。

ナチスドイツから強硬な抗議があったのは当然です。それを「日本はドイツの支配下に非ず。」と突っぱねます。こうして二万人ものユダヤ人が救われました。東条英機閣下の功績は歴史の闇へと追いやられ、多くの人がこの事実を知りません。

第一次世界大戦が終わり、1919年(大正8年)1月からパリ講和会議が開催され、日本は人種差別撤廃の提案をします。オーストラリアのヒューズ首相は署名を拒否し、すぐさま退席しました。採決では11対5の圧倒的多数で可決したにも関わらず、当時議長であったアメリカのウィルソン大統領が全会一致を主張し、葬り去られてしまいます。

奴隷制も大虐殺もなく、宗教戦争も無かった日本。
その日本が世界史を大きく変えたのが先の大戦だったのです。白人キリスト教植民地支配、有色人種支配を終わらせ、原爆による大量虐殺を止めることになったのも日本の戦いと犠牲があったからなのです。文明史観から観た時、先の大戦は「愚かな戦争」と果たして決めつけられるのでしょうか。

合掌  かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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posted by 事務局 at 12:58| Comment(0) | 言霊の華