2020年11月19日

言霊の華 第六〇三号

『日本人の「惻隠(そくいん)の情」を尋ね求めて』 

日本人は、古来から「惻隠の情」を重んじて来ました。人を労り、憐みの心を大切に羽含(はぐく)んで来た歴史的伝統があったのです。きっとそれは「母心」に拠るものでしょう。殺される運命にあった源頼朝、義経兄弟を救ったのは、平清盛の母、池禅尼(いけのぜんに)でした。

幼い頼朝、義経兄弟を見た池禅尼は、清盛に助命を嘆願します。そして清盛の心は動かされ、頼朝は伊豆に流され、義経は京都山奥の鞍馬寺に預けられます。20数年後、この兄弟によって平家は滅ぼされるのですから、歴史とは皮肉なものです。

しかしこの事により、武家政権が始まり封建制度が確立され、江戸時代、明治、現代へと繋がり、日本はアジアで唯一の近代国家へと発展の名乗りを上げたのです。

歴史の常識として、封建制度を経験しない国の近代化は難しいとされて来ました。アジアで唯一日本のみが封建制度が成功し、600年間も武家政治が続きました。

その始まりこそが、源頼朝による鎌倉幕府だったのです。若し池禅尼、清盛母子の「惻隠の情」が無かったら、歴史はどうなっていたことでしょう。

先人たちを見ても一流と言われる人々は、例外なくこの「惻隠の情」の持ち主でした。即ち「母心」の持ち主です。西郷隆盛は薩摩兵児(へこ)達に「おいの命を上げもんそ」と言って、我が子を抱き抱えるかのように共に死んで逝きました。最後まで弁解せずに。

西南戦争の終結により、日本全国の武士による叛乱は治まりました。明治近代国家は西郷に始まり、西郷の死によって更に本格化して行ったのです。「惻隠の情」は一面、弱さ脆さを感じるかも知れません。「そんな綺麗ごとでは生きていけない」「そんな生ぬるい時代ではない」と。しかし武士の時代でも「武士の情」と云うほど、その側面は大切にされていたのです。

今の時代、保守の論客同士のバトルの応酬が盛んです。闘う相手が違うだろうと思うくらいやり合っています。皆信念と主張を持っていますから、違うのは判ります。しかし批判が非難となり、非難が怒りとなり、その怒りが憎悪となるのです。

百田尚樹さんの本、「鋼(はがね)のメンタル」も、高須クリニックの高須克弥院長の本、「炎上上等」もとても面白く読みました。が、私にはとてもそのようなメンタルの強さがないのが口惜しいです。だから争わないのです。いえ争えないのです。

しかし反日家、反日組織に対しては全く別です。とことんやります。それは己(おのれ)のためだけではなく、国家のため、未来の世代のためだからです。愛国保守の人々は闘う相手を間違えてはならないでしょう。

私は己に打ち克つ人に惹(魅)かれます。良寛様や、太宰治のような人間の弱さや脆さを美に変えた人々です。三島由紀夫先生もそうだったかも知れません。自らの弱点から逃げず向き合い、「人生」という作品を綴り、後世に残しました。皆「惻隠の情」の持ち主です。

「惻隠の情」のふるさと、その源流は天皇及びご皇室にあります。常に世の中、人々に寄り添い、祈り続けるその大御心こそ、我々国を愛する人々が目指すべき究極の道なのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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【1部 講演会】
『大自然から学んだ 困難をくぐりぬけるメンタルの鍛え方!』
21世紀を生きるすべての日本人におくりたい。世界最高峰の山に挑み続けたアルピニスト・野口健氏が語る!

講師:野口 健
アルピニスト/美し国 副代表

【2部 望年会】
お楽しみクイズ大会!他

日時:12月4日(金) 19:00〜21:30

会場:美し国本部
新宿区神楽坂6-42 神楽坂喜多川ビル5階

アクセス:東京メトロ東西線「神楽坂駅」1a出口よりすぐ

参加費:経営者連盟会員・・・無料
美し国会員/一般・・・13,000円(交流会費込)

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2020年11月11日

言霊の華 第六〇二号

『日本人の中の「西洋の水」を浄化する』 その三

三回に亘り、長々と同じテーマで語らせて頂いております。多分このテーマは10回やっても、50回100回やっても尽きないことでしょう。

「日本こそ世界最後の秘境だ」と言ったのは、文化人類学者で探検家・大阪府立大学教授の中野悌助先生でした。日本は謎に満ちているのです。世界の奇跡であり、世界文化遺産に登録しても良い程の文化性、歴史性、特異性に包まれた国なのです。

「日本」を冠した書物が何と多いことか。日本の〇〇、〇〇の日本、というように日本が入った本が私の書斎、書庫だけでも数え直したらざっと500冊を超えていました。その内の300冊以上が、歴史、文化、伝統、宗教関係です。自分の国をテーマにした本がこれ程までに多いのは日本くらいでしょう。

「日本学」と云う学術研究専門分野が世界の大学や研究機関にあるくらいです。勿論分野に分かれております。「日本文学」「日本史」「日本の宗教」「日本語」「日本の政治」「日本経済」等様々ですが、外国の多くの知識人がこの「謎の国」の研究に取り組んでいるのです。

その価値や特異性を知らないのは、この国に住んでいる日本人だけだと言えるでしょう。ごく当たり前で普通だとしか思っていません。「灯台下暗し」とはこのことです。世界史の奇跡の国日本に生まれ、生活できていることの恵みと重みを肝に銘じるべきでしょう。

先の大戦後、アメリカの総司令長官・マッカーサーは、時の総理大臣・吉田茂に質問しました。「私はまだ少年の頃、父アーサーに連れられ日露戦争に観戦に行きました。その時に出会った将軍達は軍神と言っても良い程、威厳があり神々しかった。しかし、この度の戦争後に出会う将軍達にそれが見えなかった。一体それは何故だろう」と。

吉田茂は、それに答えられなかったのでした。そして当時、碩学で有名な哲学者・和辻哲郎博士にそのことを伝え、回答を求めました。

和辻先生は答えます。
「日露戦争当時の将軍達のほとんどは、江戸期の生まれであり、したがってその母達は江戸期に生まれ、江戸期に教育を受けた女性達です。それにより西洋の水が一滴も入っておらなかったのです。しかしこの度の戦争(大東亜戦争)の将軍達は明治に入り、西洋の水が入った教育を受けた母達から生まれ、西洋の水が入った教育を受け続けたこと。それが原因でありましょう」と。

「西洋の水」とは何か。それは個人主義であり、人権主義、合理主義、唯物論的思考の啓蒙主義とも言えます。日本は西洋化を急ぐあまり、その背景にあるキリスト教の伝統精神、プロテスタンティズムを抜きにして表舞台に踊り出て行ったのです。

当然日本の伝統的精神でもある「和のこころ」「清らと潔さ」「公益無私」「滅私奉公」「則天去私」の共同体精神などは希薄になります。唯物的、拝金主義的、利己的なエゴイズムが目覚め始めたのです。

現代はまるで西洋の水で出来上がった細胞の塊のような人間達の社会となってしまいました。我らは西洋の水を洗い流し、せめて心と魂は日本の伝統精神が生き続けられるよう
努力しなければなりません。その為にも「禊」を励行し、日本の神々に頭を垂れるのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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『イノベーションの極意』
〜脱皮し変革しないものは生き残れない。経営とは変化に対応すること〜

過去「カンブリア宮殿」出演の凄腕経営者 長谷川裕一氏が21世紀型 本物の経営者を育成するためにお伝えします!

講師:長谷川 裕一氏
美し国経営者連盟 会長

日時:11月18日(水) 19:00〜22:00

会場:美し国本部
新宿区神楽坂6-42 神楽坂喜多川ビル5階

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講師:野口 健
アルピニスト/美し国 副代表

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日時:12月4日(金) 19:00〜21:30

会場:美し国本部
新宿区神楽坂6-42 神楽坂喜多川ビル5階

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2020年11月04日

言霊の華 第六〇一号

『日本人の中の「西洋の水」を浄化する』 その二
― 1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ、日本のα波θ波文化 ―

安芸の宮島を訪れた連合軍将校、英国貴族のヒュー・コーツタイツ卿は、そのあまりの自然との調和の美しさに言葉を失います。「諸悪の根源、それは神道」と思い込んでいた彼の信念は揺らぎます。

「このような美しい自然と一体となったものが何故あのような大戦を惹(ひ)き起こしたのか、とても信じられない」と。「いやいやこれは一時的な私の迷いであり、錯覚なのだ」とも。岩国基地に帰ってからも、暫くその疑問と迷いは続きます。

そこで次の休暇の時、今度は出雲大社を訪れるのです。それが決定的となり、遂に結論に到達しました。「先の大戦を惹き起こしたのは神道なんかではない。我々は誤解していたのだ」と。その後彼は、日本の歴史、伝統、文化へと興味と関心が募り、のめり込んで行くようになりました。

そしていつの間にか「日本通」になってしまい、数々の日本を著(あらわ)す本や論文を世に発表するようになったのです。それが認められ、後に英国の駐日大使として再び来日するのです。

彼の日本体験は、まさしく明治開国前後に訪れた多くの外国人が体験したものと同じです。
異空間、異次元で起きるα波θ波現象の「ゆらぎ」体験だったのです。

私もよくお山登拝や禊、神社、磐座参拝の時、あまりの感動で言葉を失ったり、時間が止まったりと云う神秘体験をしましたが、彼等もそれに近いものがあったことでしょう。霊魂(みたま)が強く揺さぶられ目醒める体験です。日本の「霊的磁場」がそうさせます。

それは「自然」の力が根底にあり、四季の移ろい、風のそよぎ、清流のせせらぎ、小鳥の囀り、虫の声、潮騒、波の音、月の光、山の賑い等々、全てが「1/fゆらぎ」だと言われております。

家屋構造を見ても自然から身を守り隔絶するのではなく、すっぽりと融合し包み込まれているかのようです。日本庭園などを見ても人工的造形美ではありません。自然を生かし切った自然美そのもの。

西洋となると、自然や人から身を守り、分離、独立し、家も庭も人工的造形美を誇ります。論理的、合理的、無機質的な文化構造は「1/fゆらぎ」からほど遠いものと言えます。α波θ波文化からは離れたβ波文化のため、それを埋めるための宮廷音楽や絵画芸術が発達しました。

日本の場合、自然こそ一大音楽であり、一大絵画芸術だったのです。途中より仏教芸術が入って来ました。最初のうちは金銅像だったものが、間もなく木製彫像にとって代り、それが主流となったのは「木」に生命(いのち)を観じていたからです。

木目調の壁、廊下、机、椅子、畳等の持つ「1/fゆらぎ」こそ、鎮魂、浄化、癒しの作用をもたらしていたのです。日本は紀(木)の国とも言われて来ました。決して無機(木)質ではなく、有機(木)質の文化でした。西欧の「石の文化」とは全く違います。

木造建築の寺社仏閣は何度も焼失の苦難に遭遇しましたが、それでも木造建築の社殿が再建されるのは何故なのか。お伊勢の20年に一度の御遷宮、出雲の60年に一度の御遷宮、全国の神社の遷宮や改築も全て木の力によって成されるのです。

それは木とは「氣」であり、そこに神を観(み)、生命を観じていたからなのです。

次回に続く

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古



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講師:長谷川 裕一氏
美し国経営者連盟 会長

日時:11月18日(水) 19:00〜22:00

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講師:野口 健
アルピニスト/美し国 副代表

【2部 望年会】
お楽しみクイズ大会!他

日時:12月4日(金) 19:00〜21:30

会場:ロイヤルガーデンカフェ サクラテラス(飯田橋)
東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グランブルームサクラテラス2F

アクセス:JR中央線「飯田橋」駅西口より徒歩2分
東京メトロ有楽町線・南北線「飯田橋」駅より徒歩3分
東京メトロ東西線・都営大江戸線「飯田橋」駅より徒歩5分

参加費:経営者連盟会員・・・無料
美し国会員/一般・・・13,000円(望年会費込)

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