2021年04月07日

言霊の華 第六二二号

『無償の愛を知れば、人生は変わる』

お釈迦様は前世で、飢えた虎にその身を投げ与えた「捨身」と言う行為の縁に拠って、仏陀として生まれたと言われております。コーサラ国の王子として生まれた仏陀でありましたが、母摩耶夫人は仏陀を出産して一週間後に亡くなります。そして摩耶夫人の妹、即ち叔母によって育てられます。

王国の期待を一身に背負わされたシッダールタ(出家前の名前)は、二つの専用宮殿、贅沢な衣服、世話係、多くの召使い、家庭教師等を与えられ、何一つ不自由の無い贅沢な宮廷生活を送っていました。それにも関わらず、一向に心が晴れない日々が過ぎて行くのです。

突然塞ぎ込んだり、悩み苦しんだりと、決して心は幸せなんかではありませんでした。何不自由の無い環境を与えられていながら、どうして心が満たされないのか。ある日のこと、シッダールタは城から抜け出し城外を歩きます。

道端には死人や病人が捨てられ、乞食が多勢溢れているのを見てしまいます。耐えられなくなり、戦(おのの)きながら大急ぎで宮殿に逃げ帰って来ます。それからというもの、益々シッダールタの苦悩は深くなるばかりでした。

見かねた父国王は、まだ十六才の息子の王子に嫁を娶(めと)らせます。そして男の子ラフラをもうけました。しかしそれでもシッダールタの苦悩は晴れず、とうとう王宮栄華を捨て、妻子までも捨て、出家してしまいます。

何故そこまで苦悩が深かったのか。仏陀の心の中に一貫して流れていたものとは一体何か。きっとそれは、「母の命と引き替えに私が生まれた」と言う想いだったに違いありません。「母の命の犠牲の上に私が存在している」と言う想いが続いていたのです。

母の無償の愛の犠牲に因り、私は存在している。私は仏陀のこの部分を語る時、必ず芥川龍之介の「杜子春(とししゅん)」を思い出します。父母に早くから死なれ一人ぼっちだった杜子春は、ある日洛陽の城門に一人淋しく寄りかかっていました。

そこに仙人が馬車で通りかかり声をかけます。天涯孤独だった杜子春に「日が沈みかかる頃、お前の影が大きくなったその頭の部分を掘ってみよ。」と。 言われた通り、頭の部分を掘り起したところ、金銀財宝がザクザクと出てくるではありませんか。

杜子春は、いきなり都で一番の大金持ちになります。しかしその栄華も三年程で財産が尽き、人々は杜子春から遠ざかり、また一人ぽっちの孤独な杜子春に戻ってしまいます。そしてポツンと城門に寄りかかっているところにまた仙人が通りかかり、今度は胸の辺りを掘ってみよと言います。

またまた杜子春は洛陽一の大金持ちとなりますが、それも三年程で終わり、再び洛陽の城門に一人淋しくしているところに仙人がまた通りかかります。今度は「腹の部分を」と言いかけた時、杜子春は「もう結構です。お金も財宝も要りませんから、仙人のあなたの弟子にさせて下さい」と頼みます。

弟子の修行の第一番目に無言の行をするのです。「どんなことがあっても喋ってはならない」。杜子春に苛酷な試練が襲いかかって来ますが、杜子春はそれを守り抜きます。

最後に顔は母の顔、体は馬の体になっている母が、杜子春の前に引き出され鞭でビユンビュン打たれ、息絶え絶えになりながら言いました。「杜子春喋らなくていいのよ。母はあなたの幸せのことだけいつも想っていますからね。」

杜子春は思わず駆け寄り、顔を手で抱き上げ泣きながら「お母さん!」と叫んでしまいます。その瞬間、再び杜子春は洛陽の城門に立っていました。そこに仙人が現われ、「杜子春、仙人になる道の厳しさが判っただろう」と言います。

しかし杜子春は応えました。「ハイ、でも私はもう何も要りません。今でも母が私のことを想い、見守ってくれていることを知ったからです」と。仏陀も杜子春も、無償の愛によって生かされていることを知ったのです。

75年前、若者たちをはじめとする英霊たちは、後世の人々に無償の愛を示されました。今でも生きて私たちの幸せ、日本の平和を見守り続けておられます。御英霊たちの命の引き替えで、私たち日本人が存在できているのだと言うことを決して忘れてはならないのです。そうすれば、もっとましな日本になるでしょう。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古
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posted by 事務局 at 11:48| Comment(0) | 言霊の華
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