2021年10月14日

言霊の華 第六四四号

『自然力を呼び起こす』

日本は照葉樹林文化の国です。文字通り、お日様の光を浴びて、木々が青々と生い茂るのです。ヒマラヤの南部・インドシナ北部・揚子江沿岸・朝鮮半島南部、この細長い一帯が照葉樹林文化の地域です。

この地域はタロイモとか、山芋などの根菜食が中心です。ヨーロッパは雑穀文化、アメリカはトウモロコシ文化と言われます。照葉樹林文化の根菜類には、葛・カタクリ・こんにゃく芋があります。これらは根を砕き、水晒しをします。

水晒しをするためには、大量の水と桶が必要になってきます。日本神話には、天照大神が天の岩戸にお隠れになったときに、アメノウズメノミコトが桶の上でマサカキを鬘(かずら)にし、笹を身にまとって踊り、天照大神に岩戸を開かせるというお話があります。こうしてみますと、水、植物(お花)、桶(器)を基層にし、複合的に重なり合って、茶道も華道も生まれたのではないでしょうか。

日本人は、自然の色を「青」に喩えます。空の青、海の青、山の緑も青になるのです。どう見ても、道路の信号は緑なのですが、それを青信号と言います。
「大和は国のまほろば 青垣山こもれる大和しうるわし」
幾重にも緑が青垣のように重なります。

もののけ、もののふ、もののべ、ものは霊魂を意味し、「もののあはれ」とは、大自然の生命と自らの生命が一つになり、合わさった感動を表現しているのです。大自然の生命の営みは、私の営みであり、私の生命の延長として観ているのです。

その一体感を持った時、「もののあわれ」という心性が成り立っていくのです。大自然の生命を眺めるという行為は、私自身を観る行為そのものなのです。自然と心がものとして一つ・・・それを「もののあわれ」と言います。

松尾芭蕉は『奥の細道』の冒頭に「月日は百代の過客にして いきかふ年もまた旅人なり」と表現していますが、自然界から、人間界から、宇宙転変、一切の世界が流転している、永劫なる循環をしていることを鋭く見抜いているのです。最高の霊性と情緒と感性を持った方だと思います。大伴家持、柿本人麻呂もそうです。

日本人の持っているこの感性は、なかなか他の世界には判ってもらっていないように思います。しかしこの自然力を呼び起こす力は、自然と一つになっていく力を持っています。欧米近代主義は計らいの連続ですから、大いなる自然力が養ってくれなくなるのです。

これからのポスト近代を提供できるものは、大自然回帰に基づいた日本の理念なのだということを知っていただきたいのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

菅家 一比古

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一般社団法人美し国「なでしこオピニオンの会」代表

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HPなどにて講演会&懇親会の実施をご案内しておりましたが、
ZOOMでの講演会とさせていただきます。
ご了承ください。

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【お問合せ】
美し国 事務局
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-42 神楽坂喜多川ビル5階
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posted by 事務局 at 09:34| Comment(0) | 言霊の華
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